若松町の地蔵さん祭り
25日(日)の夜、毎年恒例行事として執り行われています「若松町地蔵さん祭り」が、令和元年になっても町会等の役員の手によって、旧県道を交通遮断して専徳寺前で開催され、町内から子ども含め老若男女の皆さんの参加で町の安全と交通安全を祈念しました。
【若松町のお地蔵さん】
若松町の専徳寺正面に鎮座していますお地蔵さんは、今から約480年ほど前の天文元年(1532)、越中(富山)から来た念西という坊さんによって専徳寺が建てられ、その時、念西さん一緒に来た富山の人たちが、自分たちが住んでいたところにあったお宮さんと地蔵尊を若松に持ってきて、向堂(大学への道の右側の崖の中腹にあたります)という所に建てられたもので、明治7年に若松八幡神社を建て替えたときに、向堂にあったお宮さんの神様を八幡神社の建物の中へ合祀(ごうし)しましたが、地蔵さんは向堂にそのままにされていました。それから約30年たった明治36年の夏のこと、若松に住んでいました松尾與三兵衛という人が、三晩続けて同じ夢を見ました。それは地蔵尊が出てきて「わしを人通りの多いところに出してくれ。今は草や木の茂った中にいるので寂しい」と言うのだそうです。
地蔵尊はどこにいるのかその場所のことを言わなかったのですが、夢の中で見た景色が向堂の様だったので、村人たちと相談し向堂のお宮さんがあった所を探したところ、夢で見たとおりの地蔵尊が見つかりました。そこで若松青年団の方々が草を刈り地蔵尊を洗い清めたあと、青年団の代表の高村さんが、白装束に身を包み、白木綿(しろもめん)でくるんだ地蔵尊を背負って現在の所に持ってきて安置したのです。なお、松尾さんはの子孫はその後ブラジルに渡られて、現在もブラジルに住んでいるそうです。
この地蔵尊は人が多く通るところに出してもらうことを松尾さんに伝えて、村人の働きで出してもらいました。当時でも現在でも人通りの多いところに立っていて、往来する人々を見守る交通安全の地蔵尊になっています。(若松町・松尾三郎記より)