加賀万歳について(3)
Posted by 金沢市田上公民館 on
26日に記念公演される「加賀万歳」のもうひとつは、『金沢町尽くし』です。加賀万歳中でも、北国下・上道中に並び、最も人気ある一つである。内容は、これといった筋があるわけではなく、序詞や掛詞を極限に駆使し、我々には懐かしい金沢の町や寺社を次々におもしろおかしく唄いこんでいる。町は、小立野台に始まり、犀川・寺町・石坂から香林坊、そして武蔵・浅野川・卯辰・駅近くの順に現れる。これらの中には、現在は壊されてしまったものも数多い。
「町尽くし」は、いわゆる「流し」で唄われ、舞は太夫だけが「式舞」風に踊り、才蔵はうしろで囃しを受け持つ。成立は、越前万歳「福井町尽くし」の影響を受けたものと推測されるので、江戸中期以降と思われる。(金沢市)